猫を家の外に出さず、室内でのみ飼育する完全室内飼い。
数十年前までは珍しいことだったかもしれませんが、今では室内飼いがメジャーになっています。
しかしこれから猫を飼われる方や、既に猫と生活されている方の中には
「家の中だけで生活させるのはかわいそう…?」
「室内で飼っている猫が外を眺めるのは外出できないストレス?」
と室内飼いが猫にとって幸せなのか疑問に感じている方もいらっしゃるかと思います。
結論を言ってしまうと、幸せかどうかはその猫にしかわからないことです。ただ、安全かつ健康に長く過ごすためには室内飼いは重要なことです。
そこで屋外と室内両方の環境で猫を飼ったことのある筆者が、室内飼いのメリットとデメリットや猫が満足できる室内の環境について解説していきます。
・猫を完全室内飼いにするかどうか迷っている
・室内だけで猫を飼うことが正しいのか知りたい
・外に出さずに猫が満足できる環境を知りたい
猫の室内飼いについて知識を身につけて、納得のいく環境で猫ちゃんとの暮らしを楽しみましょう!
猫の室内飼いのメリット・デメリット
この章では猫を室内飼いすることの良い点と悪い点を紹介します。
たくさんある!室内飼いのメリットとは
なんとなく室内飼いは安全そう!と思えますが、具体的にどういった面で安全でどんな利点があるのでしょうか。
一つずつ見ていきましょう。
交通事故を防げる
外猫には交通事故のリスクがつきものです。皆さんも一度は車に轢かれてしまった猫を目撃したことがあるのではないでしょうか。
完全室内飼いにすることで、こうした不幸な事故は心配しなくて済みます。
ケガや病気が少ない
猫が外に出ることで、他の猫と接触する機会が増えます。そうすると、喧嘩でケガをしてしまったり病気をもらってくることもあるでしょう。
室内飼いではそういった危険をグッと抑えることができるのです。
ノミ・ダニに寄生されない
外に出る猫は、体にノミやダニなどをくっつけているかもしれません。こういった虫は皮膚病を引き起こす要因にもなりますし、家の中を行き来できる飼い方であれば、虫を室内に持ち込んでしまいます。
室内で適切に飼育されている猫はノミ・ダニを心配する必要がありません。
糞を適切に処理できる
外に出かける猫は、家のトイレ以外で排泄することもあるでしょう。
その場所がご近所さんのお庭だったり玄関付近だったりすると、トラブルの元になってしまいます。猫を室内で飼い、飼い主さんがきちんと排泄物を処理していれば無縁のトラブルです。
虐待から守れる
悲しいことですが、猫に限らず動物を虐待する人間が少なからず存在します。そのような人間と猫の接触は絶対に避けなければなりません。
万が一愛猫が虐待されるようなことがあれば、猫を外に出していたことを悔やんでも悔やみ切れないのではないでしょうか。
寿命が長い
実は室内のみで飼育されている猫は、そうでない猫と比べて平均寿命が長いことがわかっています。
一般社団法人ペットフード協会の令和2年全国犬猫飼育実態調査結果によると、外に出る猫の平均寿命が13.57歳、外に出ない猫の平均寿命が16.13歳とされています。
その差は約2.5年。人間の年齢で換算すると約10年の差が生じているのです。
長く生きる=幸せとは限りませんが、痛みや不自由を感じずに暮らせる時間が長いことは猫にとっても大きなメリットと言えるはずです。
しかしある日突然帰って来なくなり、それ以来行方がわからなくなってしまいました。
きっと怪我か病気でどこかに隠れてそのまま亡くなったのでしょう。
まだ10歳程度だったはずなので、
「室内で飼っていたらもっと長く生きられたかな?看取ってあげられたかな?」
と思うこともありました。
そういった経験もあり、また今住んでいるのが交通量の多い都会でもある為今は室内で猫を飼っています。
猫の室内飼いのデメリット
室内飼いにはデメリットも存在しますが、多くは飼い主さんの工夫次第で克服できます。
運動不足になりがち
お家の広さにもよりますが、室内のみで猫を飼う場合に懸念されるのが運動不足です。
外を自由に歩き回る猫に比べるとどうしても運動量は少なくなってしまい、運動不足によるストレスや肥満も心配です。
お風呂場、電気コード…おうちならではの事故
室内飼いであれば交通事故には遭いませんが、おうちに居るからこその危険もあります。
例えばお風呂場。猫は基本的に泳げないので、お湯をはった状態のお風呂場は危険な場所と言えます。
他にも電気コードをかじってしまったり、コンロの上に上がってしまったり…室内にも危険は潜んでいます。
ただその多くは飼い主さんが少し気をつけるだけで回避できるものがほとんど。
【すぐできる!】室内飼いのデメリットを克服する工夫
前章で見た通り、猫の室内飼いのデメリットはそう多くはありません。
もちろん猫にも個体差がありますので絶対ではありませんが、ほとんどの場合は飼い主さんの工夫次第でデメリットを克服することができます。
では具体的にどのような対策をすれば良いのでしょうか。
猫の動線を長くとってあげる
マンションやアパートの場合、部屋の広さや数も限られているかと思います。
その場合はできるだけ部屋と部屋の戸やドアを開けっ放しにして、猫の動線ができるだけ長くなるようにしてあげてください。
そのほうが猫ものびのび過ごせてストレスがたまりにくいです。
登れる場所を確保する
キャットタワーやキャットウォークなど、高い場所に登ったり降りたりできるスペースを作ってあげましょう。
猫は高い場所でくつろいだり自分の縄張りを見張ったりすることを好みます。また歩いたり走ったりするだけではなく、昇降運動も取り入れることで運動不足の解消にも繋がります。
毎日遊びの時間を作る
おもちゃなどで一緒に遊ぶことで運動させてあげてください。飼い主さんが遊んであげることで運動もできますし、ストレス発散にもなります。
遊びの時間は毎日10分〜20分程度取ってあげましょう。
お風呂場は立ち入り禁止
まれにお風呂で猫が溺れてしまう事故があるようです。
ただこれは猫がお風呂場に入れないようにすることで簡単に防げますし、それが難しいようならお湯をためている時だけはしっかり見張っておくだけでも良いでしょう。
電気コードは隠す
猫によっては電気コードが気に入って、じゃれたりかじってしまうこともあります。
猫を飼うなら電気コードは家具の裏に隠したり、カバーやテープで覆ってしまいましょう。
窓際に居場所を確保してあげる
一緒に遊んであげたりキャットタワーがあっても、やはり退屈な時間はできてしまうものです。そんな時に窓の外を眺めるのは猫にとって良い気分転換になります。
もし現状そういった場所がないのであれば、ウインドウベッドの設置もおすすめです。
まとめ:猫の室内飼いはメリットの方が多い
猫の室内飼いについて、利点や室内でも満足してもらえる工夫を紹介してきました。
メリットがたくさんあるのはお分かりいただけたかと思います。
ただ数年以上外で暮らしていた猫をお迎えする場合や、広大な草原が家の外に広がっている、など様々なケースがあるでしょうし、一概に完全室内飼いだけが正しいとは言いません。
しかし現在約8割の飼い主さんが猫を室内のみで飼っていることを考えると、多くの場合室内飼いのメリットが大きいと判断されているはずです。
もし室内飼いについて疑問をお持ちなら、まずは室内の環境や暮らしを見直すのも良いかもしれません。
コメント