一人暮らしで猫を飼うことを検討されている方に多いのが、「どんな種類の猫が良いんだろう?」というお悩み。
猫は性格も特徴も様々で、どんな子をお迎えするか迷われるかと思いますが、選ぶ基準の一つとして欲しいのが一人暮らしに向いている種類です。
そこでこの記事では、一人暮らしの状態で猫を飼っていたこともある筆者が「一人暮らしでも飼いやすい猫の種類や特徴」を種別にご紹介しつつ、飼う前の注意点なども解説します。
・一人暮らしでも飼いやすい猫の特徴・種類
・猫を飼う前に準備しておくもの
・一人暮らしで猫を飼うときに注意すること
一人暮らしに向いている猫の種類と特徴
まずはどんな性格・特徴を持つ猫が一人暮らし向きなのかをお伝えします。
一人暮らしの飼い主さん向きの猫の特徴
上から順に重要度が高くなっています。
ぜひこちらのポイントを念頭に置いてみて下さいね。
では実際に上記のような特徴を持つ猫の種類を紹介していきます。
マンチカン
◆身体的特徴
マンチカンといえば短足というイメージが定着していますが、実は短足の他に中足・長足タイプの個体も居ます。体格は比較的小柄な方で、2.5~4kgが一般的な体重とされています。
被毛の種類は個体によって様々なので、ブラッシングに慣れていない方は短毛の子をお迎えすることをおすすめします。
◆性格
マンチカンの性格は穏やかで人懐っこいので、一人暮らしの方はもちろん猫を飼うのが初めての方にもおすすめです。また好奇心旺盛な傾向があるので、一緒に遊びたい飼い主さんと相性が良いでしょう。
◆注意点
猫種特有の病気や疾患はありませんが、短足の子をお迎えした場合は太らないよう特に注意してあげましょう。短い足で太った身体を支えるのは負担がかかります。
これも短足の子に言えることなのですが、通常の足の長さの猫に比べると跳躍力はやや劣りますので、あまり高さのないキャットタワーを置いてあげるなど配慮してあげて下さい。
またマンチカンの交配は、短足マンチカン×長足マンチカン、あるいはマンチカン×雑種が基本とされています。これ以外の交配で産まれたマンチカンは病気にかかりやすい可能性が高いとされるからです。
そのためペットショップやブリーダーさんからお迎えする場合は両親の猫種も確認しておいた方が良いです。
アメリカンショートヘア
◆身体的特徴
がっしりとした丈夫な身体で力強い印象のアメリカンショートヘア。体重も3.5kg~6.5kgとやや大きめですが、メス猫を選べば成猫で5kg台におさまることが多いでしょう。短毛種で、日本で多いのは灰色と黒のマーブル模様の毛色のタイプです。
◆性格
温厚でのんびりした子が多いですが、その力強い体格の通りエネルギッシュでもあるため、広めのお部屋で飼ってあげることをおすすめします。独立心が強くベタベタされることは好みませんが、気づけばそばに居る…というツンデレタイプ。自立しているためお留守番も得意です。
また賢く順応性も高いので、多頭飼いや他のペットとの生活もうまくこなしてくれるでしょう。
◆注意点
基本的には丈夫で健康な猫種なのですが、少し太りやすい傾向があるのできちんと食事の管理をしてあげることが大切です。運動量も多いので積極的に一緒に遊んだり、キャットタワーを用意して昇降運動をさせてあげて下さい。
ブリティッシュショートヘア
◆身体的特徴
ブリティッシュショートヘアは骨太でがっしりした体つきです。平均的な体重は4~8kgとやや大きめですので、女性の方にはメスの子が向いているかもしれません。
◆性格
物静か且つ穏やかな性格で、飼い主さんに忠実であることが多いですが、飼い主さん以外の人間や抱っこされるのは少し苦手。気難しいわけではなく、撫でて欲しいとき・かまって欲しいときは自ら近くに来てくれます。1匹でいることも好きで、安心してお留守番してもらえます。
◆注意点
頑丈で大柄な猫種ですが、その身体を支える足には大きな負担がかかりますので、体重管理には気をつけてあげて下さい。また心臓に負担をかけないこともブリティッシュショートヘアには大切で、この観点からも肥満には要注意です。肥満予防や心臓ケアのために中年以降は特に餌選びにこだわってあげて下さい。
短毛種ですが、被毛の密度が高いため換毛期には頻繁にブラッシングしてあげましょう。
ロシアンブルー
◆身体的特徴
美しい青みを帯びたグレーの被毛が美しいロシアンブルー。体格は中型で、大体3~5kgが平均的な体重です。
すらっとしたしなやかな体つきも魅力の一つでしょう。
◆性格
大人しく内気な性格の子が多く、鳴き声も小さいためマンションや集合住宅での鳴き声トラブルは心配なさそうです。
ただその分繊細な気質なので、大きな音や騒がしい環境は苦手です。大家族よりは一人暮らしの飼い主さんに向いている猫種ですが、その飼い主さん自身も物静かな方であればより相性が良さそうです。
独立心が高く、適度な距離感のパートナーとして寄り添ってくれるタイプです。
◆注意点
前述した通り繊細な一面がありますので、粗相や失敗をしてもあまり大きな声で叱りつけるようなことはしないであげて下さい。その時の恐怖心を払拭するのが大変です。
また一匹で静かに過ごせるスペースを確保しておいてあげると安心してくれるはずです。
被毛の密度が高く、ブラッシングやシャンプーが必要になってきますので子猫の頃から少しずつ慣らしておいてあげると良いでしょう。
バーミーズ
◆身体的特徴
光沢のある美しい被毛が特徴的で、毛色はセピア・ブルー・プラチナなど様々。比較的小柄な体格で平均的な体重は3~5.5kg程度です。小柄で丸みのある印象ですが、実は筋肉質で運動量もそれなりに必要です。
◆性格
社交的で人懐っこく、甘えたがりなので、1匹でのお留守番があまり得意ではありません。この部分だけ「自立している」という特徴から外れてしまうのですが、家を開けることが少なくベタベタ甘えて欲しい飼い主さんにはおすすめのタイプです。
留守がちでも甘えん坊な子がお好みであれば、多頭飼いや一緒に遊んでくれるペットを他にも飼ってあげて下さい。良い関係を築いてくれますし、寂しさが紛れてストレスになりにくいです。
賢くしつけもしやすいので、家を空ける時間だけ気を付ければ一人暮らしでも非常に飼いやすいです。
◆注意点
実は寒さが少し苦手です。冬場の温度管理には気をつけてあげる必要があります。
また筋肉質で活発なタイプなので、積極的に遊んであげて下さい。キャットタワーやキャットウォークを準備して、1匹でも遊べる環境を整えてあげるのも良いでしょう。
雑種/ミックス
◆身体的特徴
雑種に関しては体格や被毛のことは何とも言えませんが、一つ言えるのは、純品種に見られるような遺伝的疾患の心配が少なくタフであるということです。雑種猫は遺伝的に遠いもの同士の交配により誕生するからです。
また体が丈夫で比較的病気にかかりにくいことから、純品種に比べて長生きの傾向にあります。
◆性格
性格や気質に関しても雑種である以上実際に会ってみないと判断できないかと思います。
どの子をお迎えするかは実際に会ってみて、施設のスタッフさんや里親さんからよくお話を聞くことをおすすめします。可能であれば、少し慣れてくれるまで何度か会いに行っても良いかもしれません。
◆注意点
体が丈夫だからといって、普段のお世話を怠っても良いということではありません。食事や体重の管理、トイレを清潔に保つ、猫によってはブラッシングをしてあげる等日常のケアは純品種の子と同様きちんと行い、猫ちゃんに普段と違う様子があれば獣医師に相談するようにしましょう。
一人暮らしで猫を飼う前に!準備するものや気をつけること
猫を飼う前に、まずは暮らしやすい環境を準備してあげる必要があります。
ここでは最低限必要なものを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
トイレ、餌入れ、ケージ…猫ちゃんのお迎えまでに必要なもの
・猫用トイレ、トイレ砂、トイレシート
猫用トイレやトイレ砂には様々なタイプがありますが、猫ちゃんの好みにあったものを用意してあげるのがベストです。引き取り前にどういったものを使っているか、事前に様子やアドバイスを聞いて選んでみて下さい。また新しいトイレ砂とは別に、お迎えする猫ちゃんの匂いがついたトイレ砂をペットショップや施設からもらっておけばトイレの場所を覚えてくれやすいです。
・猫用食器
餌用と水用の2つが必要です。食器の下にマットを用意してあげると、フードや水がこぼれても掃除がしやすいです。
また水用の食器はお部屋ごとやケージ内に追加で用意してあげても良いでしょう。
・キャットフード
基本的には「総合栄養食」と記載のあるものを準備しておけばOKです。ドライタイプとウェットタイプがありますが、まずはお迎えするまで食べていたものと同じものを購入しておいて下さい。
・グルーミング用品
短毛種の猫でも少なからず毛が抜けます。猫用のブラシやコームを用意して、抜け毛の様子を見ながらお手入れしてあげましょう。
・寝床(ベッドやケージ)
子猫や警戒心の強い猫のためには安全地帯としてケージがあった方が良いです。成猫やある程度大きくなった猫ちゃんでも、窓の開閉をする時などにケージに入っておいてもらえれば安心できます。
猫用ベッドは静かな場所に置いて、1匹で落ち着けるスペースを作ってあげるとよいでしょう。
・キャリーケース
猫ちゃんの引き取り時にまず必要です。その後も病院へ行く時や、災害時の避難の際にも必須アイテムとなりますので、用頻度は高くないかもしれませんが必ず用意しておきましょう。
・爪研ぎ
猫は爪を研ぐ生き物です。床や壁での爪研ぎを最小限に食い止めるため、市販の爪研ぎをいくつか用意しておくと良いです。
・キャットタワー
猫は部屋の中を走り回る平面的な運動だけではなく、高い所へ昇ったり降りたりといった縦の運動も好みます。安心して昇降できるスペースとしてキャットタワーを準備してあげましょう。
・おもちゃ
一緒に遊んであげることもお世話の一環です。おそらく猫と暮らしているうちに自然に増えていくでしょうが、お迎え前に1つくらいは用意しておいても良いかもしれませんね。
下記のようなものであれば1つのおもちゃで色々遊べて便利です。
注意点や気をつけること
一人暮らしである以上、お部屋に猫ちゃんだけ…という時間がどうしても出てきてしまいます。猫ちゃんが安全に過ごせる環境を整えておく必要があります。
お部屋の環境づくり
どちらも猫ちゃんが強く興味を示すものです。遊んでいるうちに飲み込んでしまったり締め付けられてしまう危険があります。
基本的に小さなものは誤飲の可能性がありますので、きちんと片付けておく必要があります。
ジャレついたり噛んでしまう可能性があるので、カバーやテープで覆ったり家具の裏側に隠すようにしましょう。
お湯を張った浴槽で溺れてしまうこともあります。普段からきちんとドアを閉める癖をつけましょう。
猫は狭いところに入り込むのが大好き。不幸な事故を防ぐために使用する時以外は閉めておきましょう。
ガードをつけたり玄関スペースに立ち入らせないようにするのがベストです。どうしても難しい場合は開閉の度にしっかりと注意して下さい。
かかりつけの動物病院を探しておく
猫ちゃんの体調が優れない時はもちろんのこと、ワクチン接種や去勢・避妊手術の際にお世話になる動物病院。必要になってから探すのでは遅いので、あらかじめリサーチしておきましょう。
ワクチン接種、去勢・避妊手術
子猫の状態で引き取る場合は、ワクチン接種や去勢・避妊手術を受けさせる必要があります。ワクチンの接種後や術後は、体調に異変がないか様子をこまめにチェックしてあげましょう。
とはいえ、一人暮らしで猫を飼う場合は上記がすでに済んでいる子をお迎えした方が安心です。
その場合は保護施設や譲渡会での引き取りになるかと思います。
ペット保険に入る
猫に限らずペットの医療費は高くつくことが多いので、猫ちゃんが若く健康なうちに保険に入っておくことをおすすめします。
いざというときにお金がなくて治療を受けさせてあげられない…なんてことが無いように早めに加入しておきましょう。
保険スクエアbang!/ペット保険資料一括請求

お名前・住所・連絡先の入力と資料請求したい保険会社を選ぶだけでOKです。
(アニコムさんとipetさんは提携している動物病院が多いイメージなので目を通してみてください)
まとめ:一人暮らしでも猫は飼える!
一人暮らしでも飼いやすい猫の種類や飼う前に準備すること、注意点などをご紹介しました。
特徴や性格を考慮して猫の種類を選んだり、事前にしっかりと準備をしておけば一人暮らしでも猫ちゃんを飼うことはできます。実際に飼っている方もたくさんいらっしゃいます。
ただ実際に飼ってみると予想外の気質だったり、イレギュラーなこともたくさんあるはずです。
それでも最後まで猫ちゃんの面倒を見る覚悟と強い意志を持つことが重要なのではないでしょうか。
その覚悟があって日々のお世話をきちんとできれば、一人暮らしでも立派な飼い主さんになれるはずです!
これから出会う猫ちゃんと充実した日々をお過ごし下さいね。
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